令和5年 早春の小展示 染型紙のデザイン

古来より、人々は布に様々な模様を施してきました。布を染める代表的な染色技法には、木型を用いたものと型紙を用いたものとが知られ、そのうち型紙を用いて布を染める技法を「型かた染ぞめ(または型紙染)」といいます。
型染に用いる染型紙には、花や鳥などをモチーフとした大柄の模様もあれば、小さく繊細な模様もあり、そのデザインのバリエーションは非常に豊かです。なかでも、江戸時代になり、染型紙を使って武家の男性の衣装に「小紋こもん」と呼ばれる小柄な模様が多用されるようになると、次第に普及し、ファッションブックの役割を果たした「雛形ひいながた」や浮世絵に描かれる女性の衣装にも見られるようになります。
このたびの展覧会では、様々なデザインが施された染型紙を展示し、そこにみられる模様の豊かなバリエーションをご紹介します。染型紙からどんな染織品が生み出されるのか想像しながらご覧いただけましたら幸いです。